Detection of Circulating Superantigens in An Intensive Care Unit Population

2002 
スーパー抗原(superantigen; SAg)はT細胞からの過剰な炎症性サイトカインの産生を誘導し,toxic shock syndromeなどの疾患で重要な役割を果たしている。しかし,集中治療室(ICU)で数多くみられる敗血症の病態発生にSAgが関与しているかどうかは不明である。本研究ではICU入室症例の循環血液中からSAgが検出しうるかどうかを調べ,SAg血中濃度と感染症の重症度との関係を検討した。方法:ICUに入室した78症例より血漿474検体を採取した。基礎疾患は,心血管系(4例),呼吸器系(11例),腹部疾患(27例),中枢神経系(2例),外傷(10例),熱傷(10例),その他(14例)であった。血中濃度を測定するSAgとして,staphylococcal enterotoxins A (SEA), SEB, SEC, toxic shock syndrome toxin-1 (TSST-1), streptococcal pyrogenic exotoxin A (SPEA)の5種を選び,これらのSAgの血漿濃度を酵素免疫学的測定法(ELISA)で定量した。結果:SAgは16症例(21%)において陽性で,1例で4種類,2例で3種類,1例で2種類,12例で1種類のSAgが検出された。SAgの種類別では,SEAが7例,SEBが4例,SECが2例,TSST-1が6例,SPEAが5例であった。感染の重症度によるSAgの陽性率は,全身性炎症反応症候群を伴わない症例(non-SIRS)で6% (1/17),感染が明らかでないSIRSで0% (0/21),ショックを伴わない敗血症で31% (5/16),敗血症性ショックで42% (10/24)であった。黄色ブドウ球菌や化膿性連鎖球菌の感染が確認された全症例中でのSAg陽性率は48% (12/25)であった。結論:ICU入院患者のなかには血中からSAgが検出される症例が認められ,感染症が重症化するに伴って血中SAgの検出率は増加した。
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