A report of two cases and a systematic review of Japanese patients with liver cirrhosis and ascites treated by CAPD

2010 
肝硬変非代償期は慢性肝疾患の終末像であり,生命予後に影響する.腹水を伴った肝硬変合併腎不全例に対して腹膜透析(continuous ambulatory peritoneal dialysis:CAPD)の有効性が指摘されているが,長期的な影響に関する検討は少ない.今回,われわれは腹水を伴う肝硬変合併腎不全にCAPDを導入した2例を経験した.1例は49歳,男性,難治性腹水を伴ったC型肝炎に伴う肝硬変,移植腎不全例であり,導入時,低ナトリウム血症,低アルブミン血症,低血圧を認めた.塩分摂取の増量,分岐鎖アミノ酸による蛋白摂取の増量を行ったが,循環亢進状態に伴う低血圧が遷延した.導入16か月目,腹膜炎発症後から血圧維持が困難となり永眠した.2例目は74歳,男性,腹水を伴う原因不明の肝硬変,糖尿病性腎症による腎不全のためCAPD導入.導入40か月目,食道静脈瘤に対する硬化療法後から頻回にE. coliを主体とする腹膜炎を発症し,特発性細菌性腹膜炎(spontaneous bacterial peritonitis:SBP)と診断した.腹膜硬化症合併が懸念され血液透析へ移行したが,肝不全の増悪から永眠した.肝硬変合併例に対するCAPD治療の選択を考える上で貴重な2症例と考え報告するとともに,これまで本邦で報告された15例をまとめて,肝硬変合併例におけるCAPD治療の利点と欠点に関して考察を加えた.
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