Solubilization of Coal by Reductive Alkylation Reaction. Relation Between Reaction Time of Anionization and Solubilization.

溶融金属カリウムを用いる還元メチル化反応で,炭化度の異なる 3 種の石炭を用いて反応の第1段階であるアニオン化時間を順次変化させ,可溶化物の収率やその成分の構造について考察した。その結果,可溶化をもたらす構造単位体を結ぶエーテル結合(C-0-C)の切断反応とこれに続く芳香環の還元メチル化やメチル化が反応初期段階で顕著に進行し,それ以降では,高石炭化度炭でのみ徐々にこれらの諸反応が進行し順次可溶化性が向上した。しかし低石炭化度炭においては,反応初期以降でこれらの諸反応はそれほど進行せず,結果として低可溶化率に留まった。この違いは,原炭中のエーテル結合の含有量や含まれる官能基間相互の架橋構造の多寡および構造単位体中の芳香環の大小に起因するものと思われ,石炭種によるこれらの差が反応初期やそれ以降での可溶化性に大きく影響を及ぼすことが判明